こんにちは、不妊治療中のもぐら子です。
しばらく間が空いてしまいましたが、仕事で少し忙しくしておりました。
いまこのブログではタイミング法をやっていた頃の話を書いているのですが、現実世界では私は体外受精に入っています。
先日初めての採卵を終えたところなのですが、自分的には衝撃というか、予想外のことが多かったので忘れないうちに書き記しておきたくて時系列がずれますが、書いていきたいと思います。
採卵前に注射で卵を育てた話はおいおい書きたいと思います。本日は迎えた採卵当日のお話です。
採卵日が決まったのは2日前の診察でした。
2日前の23時と24時に点鼻薬 (排卵日に排卵直前の良い状態の卵に仕上げるための薬) で排卵誘発を行いました。
そして、前日に強い抗生剤 (採卵時の感染予防のため) を飲んでお腹を下して胃痛に悩まされつつもなんとか回復し、迎えた採卵当日。
採卵当日の朝は早く、5時起きです。
なぜ5時に起きるのかというと、7時から絶飲食のため6時までに指定された薬と、朝食を済ませる必要があるからです。
夫は毎日注射をして卵を育てている私を不憫に思ったのか、5時に一緒に起きてくれてスクランブルエッグを振る舞ってくれました (早朝にも食べやすくてありがたかった‥)
ちなみに飲む薬というのは、排卵を抑制する薬です。2日前から飲んでいます。採卵のために育ててきた卵が、採卵の時には排卵してしまっていた‥ってかなりのショックですよね。絶対に飲み忘れないようにしよう!と机の上に出しっぱなしにして、かつアラームをかけていました。
無事朝食と薬をとり、仕事が少し溜まっていたので10時ごろまで仕事を片付けました (私は在宅勤務をしています)。
ちょうど7時になる前に、机の上に出していた水のペットボトルを冷蔵庫に片付けました。
絶食はなんとか我慢できるけど、絶飲はきつそうだな‥と思いつつ、7時ぎりぎりに水を飲んだ後は、間違えて飲むことがないよう名残惜しく思いながら片付けたのです。
ちなみに私は静脈麻酔での採卵でした。
7時以降に飲食してしまうと麻酔ができない、と説明書きにあったので間違えてなにか飲んじゃったりしないよう気を付けよう‥と怯えていました。
病院によっては麻酔なしの場合もあるそうですね。
さて、いよいよ病院に出発の時間になりました。夫もコロナウイルスの影響で在宅勤務中なので、平日でしたが一緒に病院に来てくれて、現地で採精に協力してくれました。
夫婦間で「なるべくフレッシュなほうがいいんじゃ?」との見解で一致したので、とてもありがたかったです。
受付後は、私は休養室に準備のために入ってしまうので別々になります。
夫に自分で検体を提出してもらわなければいけないので (いつもは私が受け取り提出していた)、恥ずかしいだろうな‥と少し気を使いましたが、「頼む!」という感じでお願いし颯爽と私は休養室に入っていきました。
休養室というのは、採卵前と、採卵後に休むためのお部屋です。
私の病院では10台くらいのベッドが用意されていて、それぞれカーテンで仕切られていました。
服を着替え (着てきた服だと衛生的に良くないのかな?)、ブラジャーや貴金属類は外し、ベッドで使うグッズ(ナプキンなど)を持って指定番号のベッドに向かいます。
ちなみに化粧、コンタクトはNGです。最近はいつもマスクをしているので、家からスッピンメガネで来ました。
準備ができたら、自分のベッドで休みます。
看護師さんに、6番目の採卵だからそれまで布団をかぶって寝ていてね、と言われました。そうか、一応手術前だから安静にしなきゃいけないのか‥と思い大人しくしていました。
そのころ夫は一仕事終え、病院を出てカフェで仕事をしていたようです。
その日採卵する予定の人は、8人ほどいたようです。
そのころ私はベッドで布団に入りながら、採卵はひとりどれくらいかかるのだろうとスマホで調べていました。
勝手に30分くらいはかかるだろうと思っていたのですが、10から15分くらいだそうですねもちろん人によると思いますが。待つ時間は意外と短そうだと思いました。
私より先に呼ばれた隣のベッドの方が、看護師さんに採卵に呼ばれた後ベッドにすぐ帰ってきました。
聞こえてしまったのが、今日は人工授精に切り替えますねという話。予測ですが、排卵済みだったのだと思います。患者さんは淡々と答えておられましたが、どんな気持ちだったのだろう‥と心が痛くなりました。
その後しばらくして、私のベッドに看護師さんが採卵のため呼びに来てくれました。
私は焦りました。なぜなら、30分ごとにお手洗いに行くよう言われていたのにまだ行っていなかったからです。採卵時に尿が溜まっていると支障があるのだと思います。
急いでトイレを済ませ、手術室に。
ちなみにメガネはとってと言われました。私はかなり目が悪いので、そのあとの記憶はボヤッとした世界です。
看護師さんに誘導され手術室に向かいます。
私の通っている病院は総合病院ではなく、レディースクリニックです。
ドラマで見るようないかにも手術室、という雰囲気よりも少し柔らかな雰囲気ではありましたが、医師や看護師さんは皆衛星キャップを被り、内診室とは違った緊張感を感じました。
1部屋に2名の患者が収容されていて、隣の方は採卵が終わった頃のようでした。
「◯◯さん!◯◯さんわかりますか!」
麻酔から覚めたことを確認するためか、そのように呼びかけられていました。
私は指示された通り内診台のような形の手術台に座り、名前を言った気がします。
左手には血圧計、右手には麻酔用の針を装着されます。看護師さんたちがテキパキと動いていくので、自分の中で焦りというか、いまどの段階なんだろう、順調かな‥と勝手に不安になっていた気がします。
排卵済みかの確認はしないのかな‥そんな風にも思っていました。排卵誘発法によって違うのかもしれません。私の場合は麻酔の前にエコーを確認することはありませんでした。
そして私は人生初の静脈麻酔でした。
「眠れなかったらどうしよう」
そんな一抹の不安はすぐにかき消され、麻酔が入りますよ、と言われて2〜3秒で記憶が無くなりました。
その後はさきほど自分がいた休養室のベッドで目覚めるまで記憶がありません。
採卵後、目が覚めたとき自分の状況を把握するのにしばらくかかったと思います。
「あ、採卵終わったんだ、無事取れたのかな‥」
こんな風に思っていました。
そして体は、重い。
自由に身体が動きません。
静脈麻酔が初めてだったのでこの身体が動かないことが不安だったのか、ちゃんと卵が取れたのか不安だったのか、今まで強がって注射など毎日頑張ってきたことが思い出されたのかわかりませんが、突然涙がポロポロと流れてきました。
こんなに無意識に涙が出ることってあまり経験がないので、自分に驚きながら泣いている感じでした。
他に休まれている方とベッドが近いので、声は押し殺しながら泣いていました。
すると看護師さんがきて、なにやら経過の確認をしてくれました (よく覚えていません)。なぜか泣いているのをみてびっくりした様子で、私のカバンからハンカチを出して枕元に置いてくれました。
その後点滴を外していただき、「水は飲める?」と聞かれたのですがまだ身体が動かず、「ちょっと難しそう」などと答えた気がします。
また動けるようになったら教えてと言われ看護師さんはいなくなりました。
それからしばらく涙が止まるまで横たわりながら待ちました。
水を飲んでと言われたけど、身体が重い。
そして‥トイレに行きたい。
水を飲むよりも、なんだかトイレにいきたくなってきました。
勝手に動いていいかわからなかったので、ナースコール。行っていいよとのことだったのでゆっくり起き上がりました。
ものすごくだるい‥!
これが麻酔の力かと変に納得しながら、フラフラとお手洗いに向かいました。
命からがら (大げさ)自分のベッドに戻ると、看護師さんが来てくれました。
「残尿感なく、ちゃんと出た?」
そんなことを聞かれるとは思っておらず、「え!あ、あまり意識していなかったのですが‥たぶん大丈夫だと思います‥」と曖昧に答えました。
どうやら、採卵は針を指すのでまれに膀胱を傷つけてしまうことがあるようです。
「では水を飲み込めるか確認するので、飲んでみてね」
看護師さんの前で飲水確認がありました。飲み込めない場合もあるのでしょうか‥怖いですね。私の場合は、普通にゴクっと飲むことが出来てOKが出ました。
「じゃあ飲水確認ができたので、軽食を食べて、動けるようになるまで横になって休んでね。」
採卵前にベッドで休んでいるときはお腹が空いて、早く軽食食べたいな〜と思っていましたが、いまは身体が動かないのもありなんだかあまりお腹が空いていません。
でも重い身体をおして持参したメロンパンを開け、食べ始めるとすごく美味しく感じました。一瞬で1個ペロリと食べきり、少し横になります。
眠ってしまっても良かったと思いますが、だんだん早く帰りたいという気持ちが強くなってきました。体も重いけど動かないことはないしと、看護師さんに確認をとって待合室に移動しました。
これから今後のお話を聞くそうです。
外のカフェで仕事をしていた夫と合流し、看護師さんの説明を聞きます。
麻酔の影響で体もつらく、頭が50%くらいしか動いてなかったので、夫に同席してもらえて助かりました。
(後から聞くと、私には聞き慣れた専門用語が夫には難しくほとんど理解できなかったそうですが。)
まず、とれた卵は20個でした。
もともと多嚢胞ぎみでたくさん卵胞が育つタイプで、注射の効きも良くたくさん卵胞が出来ていました。
でもポンコツな体の私なので、ほとんど取れませんでした‥ということも覚悟していたので、とりあえず一安心。
ただ、成熟卵の個数や受精結果、夫の精液結果は翌日に連絡があるとのこと。それまでは安心できません。
その後は、薬の説明。
6種類の薬が処方されました。
大きく分けると3種類の薬で、採卵後に生理を起こさせる薬、OHSS(卵巣過剰刺激症候群)の予防の薬、採卵後の痛み止めです。
私の病院では凍結胚移植 (採卵の周期には移植せず卵を凍結し、翌周期以降に移植する方法)を採用しているので、とりあえず今周期は一旦これで終了。
あとは薬を飲んで生理が来るのを待つだけです。
数日後に、卵巣の腫れを確認するための診察予約をしてその日は病院を後にしました。
体のだるさは翌日まで続き、「全身麻酔ってこんな感じなんだな‥」と、採卵日付近は思い仕事を入れないのがいいな、と思ったのでした。