不妊治療をはじめて1年と少しのもぐら子です。
不妊治療をこれから始める方や、不妊治療を始めたばかりの方に読んで欲しくてこの記事を書きました。
不妊治療は、タイミング法→人工授精→体外受精と進んでいきます。
これをステップアップと呼んでいます。
それぞれ具体的にどんな治療なのか見ていきます。
タイミング法とは、卵子の育ち具合をエコーで調べて、排卵するタイミングに合わせて性交渉を持つよう指示する治療法です。
卵の育ち方やホルモンの数値によって薬や注射を併用する場合もあります。
しかし卵子と精子の出会いは性交渉によるものなので、1番自然に近い方法です。
タイミング法のことを一般不妊治療、と呼ぶクリニックもあります。
薬を使う必要がない1番シンプルなタイミング法ならこんな感じです。
病院によっては生理中にエコーがある場合もあります。(前の周期で育った卵子が残っていないかなどを見るため)
私の場合は排卵が普通の人より遅かったので、排卵予想日は生理から18日目とか20日目なんてこともありました。
「大きくならないねぇ‥」
なんてエコーを見ながら先生に言われて、
「じゃあ次は3日後にまた見せてね。」
と言われ再度予約をして何度も通院する‥
ということが何度もありました。
排卵のタイミングは人それぞれで、12日くらいで早めに排卵するなんて人もいるようです。
ちなみに排卵日はどのように予測しているかというと、卵子は20mm〜22mmくらいの大きさで排卵するようです。
(クリニックによって考え方に少しバラツキがあります)
卵子の成長のスピードを見ながら、だいたいこのくらいに20mmくらいになりそうだな‥という感じで排卵日を予測しています。
治療のステップは自分の身体の状態によって決まるのでメリット・デメリットを見て「こっちの治療法がいい」と選べるわけではありませんが、一応書いておきます。
タイミング法のメリット
タイミング法のデメリット
後述しますが、体外受精になると治療費が1桁変わります。金銭的な負担が少ないのは精神衛生的にかなり楽です。
また人工授精では処置により出血があったり、体外受精は臓器に針を刺すことになるので体への負担がありますが、タイミング法はそれが少ないです。
そして、妊娠に人の手が介することに不安を感じる方にとってタイミング法は1番受け入れやすい治療法ではないでしょうか。
デメリットというか大変なこととしては、性交渉のタイミングを急に指示されることがあるので「今日お願い‥」のような感じで夫のスケジュールを調整する必要があること。
夫の出張が多かったり繁忙期の場合は特に、「○日〜○日くらい!」と事前に夫にスケジュールを伝えておくと安心です。
人工授精は、あらかじめ選別した精子をチューブを使って子宮内に入れる治療方法です。
タイミング法と同じく、卵子の大きさをエコーでチェックしながら排卵日を予測して行います。卵子の育ち具合などによって薬や注射を併用する場合もあります。
タイミング法との違いとしては、精子を選別したり遠心処理したりする部分と、子宮内に直接精子が入る部分です。
精子の数値(運動率や濃度など)が悪い方や、子宮頸管粘液が少ない方(子宮と腟の間にある子宮頸管にある粘液が少ないと精子が子宮に入りづらい)などの場合に適用です。
もっと詳しく知りたい方は、恵愛生殖医療医院さんのページをご確認ください。
タイミング法と似たスケジュールですが、排卵日に合わせて自分で性交渉を行うのがタイミング法、病院で処置を行うのが人工授精です。
タイミング法と同じく、卵子の育ち具合によって薬や注射を併用する場合があります。
ちなみに人工授精の日は、精子を小さな容器に入れてクリニックまで運びます。
もしくは夫も来院できる場合は、メンズルームと呼ばれる部屋で自分で採取してもらいます。
なんとなく病院で採取した方が新鮮そうで良さそうですよね‥。
でも容器に入れて運ぶ方法でもたくさんの方が妊娠されています。
人工授精のメリット
人工授精のデメリット
人工授精の費用はクリニックにより異なりますが、2万円前後です。薬や診察費が別途かかるので3〜4万円の準備が必要でしょう。
人工授精は、タイミング法では精子が通らないといけない子宮頸管をショートカットして直接子宮内に精子が入るので、施術でひとつ妊娠のハードルを超えることになります。
とはいえ卵管がちゃんと通れる状態であるかや、卵子と精子が受精するかなど妊娠のハードルはまだまだたくさん。
精子の調整を行うことも人工授精の特徴のひとつなので、精子の所見が悪めの方は改善が期待できます。
デメリットとして、人工授精はタイミング法と同様にわりと突然スケジュールが決まります。
だいたい○日〜○日と予測はつけられるので、事前に夫のスケジュールを押さえておきましょう。
痛みについてはそんなに強くないですが、私の場合はチューブが入るときに少し生理痛のような痛みを感じました。出血はほとんどなかったです。
体外受精では、卵子を体の外に取り出し精子と受精させ、受精した卵子を子宮に戻す治療方法です。
高度生殖医療(ART)とも言われます。
同じ培養液内に卵子と精子を入れ自然に受精させるのが体外受精、卵子内に精子を針で注入し受精をさせるのが顕微受精です。
タイミング法や人工授精では、妊娠しなかった時にどこで問題があって妊娠しなかったのか分かりません。
しかし体外受精では卵子の状態や受精できたかどうか、受精後の成長などを体の外で観察できます。
そのためどこで問題があって妊娠しなかったかを突き止められる可能性もあります。
体外受精についてより深く知りたい方は日本生殖医学会のページのご確認を。
体外受精には様々な方法があり、使用する薬や卵子を体に戻す時期などによってスケジュールは大きく異なります。
こちらは「凍結融解胚移植」という、採卵した次の周期以降に卵子を体に戻す方法のスケジュール例です。
これだけでも生理周期2周期ぶんかかるの?!と長く感じますが、前の周期から点鼻薬などが必要になる場合や、移植時のホルモン剤をより長く処方する場合はさらに周期が伸びます。
逆に、採卵した周期に移植する「新鮮胚移植」だともっと周期は短くなります。
体外受精はクリニックによって進め方が本当に様々です。
ショート法、ロング法、アンタゴニスト法、自然周期などお薬の使い方によってスケジュールも大きく変化します。
体外受精のメリット
体外受精のデメリット
体外受精の妊娠率は、タイミング法や体外受精に比べて高くなります。
人工授精の妊娠率が5〜10%くらい、体外受精の妊娠率が15〜40%というクリニックが多いようです。
ちなみに妊娠率はクリニックによって全然違います。また患者さんの年齢、新鮮胚移植か融解胚移植かによっても大きく異なります。
また、体外受精では、卵管が詰まっていて卵子が通れない場合や、精子が卵子に自力で入れない場合はそれらをショートカットすることができるので有効な治療法です。
そして体外受精の最大のデメリットは費用が高いこと。
1回あたり20万円〜80万円、薬の量や採れた卵子の数などによりもっと高くなる場合も。
都道府県や市町村の不妊治療の助成金を利用することができますが、年齢や所得の制限があるので注意です。
また、体外受精の採卵は腟から卵巣に細い針を刺して行います。体への負担は避けられない治療法です。
タイミング法、人工授精、体外受精へのステップアップはどのくらいの期間で行うのでしょうか?
年齢が上がるほど、早めに体外受精までステップアップを勧められることが多いです。
また卵管に問題があることが分かった場合など、タイミング法から人工授精を飛ばして体外受精を行う場合も。
タイミング法は3ヶ月〜1年ほど、人工授精は3〜6回ほど行ったのを目安にステップアップする方が多いようです。
ステップアップは先生から「そろそろ‥」みたいな感じで切り出されたり、最初から「人工授精は5回まで」と示される場合もあります。
最終的に決断するのは自分です。
早めに結果を出したい方は、先生からの提案を待たずに早めにステップアップする方もおられます。
「なるべく自然な妊娠にこだわるか」「早めに結果を出したいか」「経済的な状況」などを整理してステップアップのご検討を。
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